先生によって態度を変える子ども
見た目が恐そうな先生や、厳しい先生の前では、しっかりと指示を聞いてやるべき事をするのに、優しい先生や慣れていない先生の前では、自分勝手な行動をする子ども。
どこの学校でも見かけます。
先生で態度を変える子どもというのは、どういう気持ちなのでしょうか。
まず、そういう相手で態度を変える子どもの判断基準は「叱られるか、そうでないか」であることが多いです。
『叱られるから』やらない。
『叱られても恐くないから』やる。
判断の基準が『誰か(相手)』なのです。
親からの言葉を聞いて、良い事か悪い事か、判断できるようになる
そもそも子どもは、相手を見て、「やってもいいか、やめておこうかを決める」ということをします。
何も知らない真っ白な状態から、善悪を判断できる基準を作っていくので、実際にやってみて、周りの人がどういう反応をするかを見るのです。
その基準を作る時に「コラ!何をしてるの!ダメでしょ!」と叱られると、これはダメなんだと学びます。
けれど、「コラ!何をしてるの!ダメでしょ!」では、なぜダメなのかはわかりません。
さらに、大人の気分で、叱られる時と、同じ事をしていても叱られない時があったら、子どもは大混乱です。
『してもいい理由、してはいけない理由』を理解できず、大人の声と迫力に驚いて、とにかく謝るということをしてしまいます。
これを繰り返すと、子どもが、自分の中に明確な基準を持てずに成長してしまいます。
自分で自分の行動を判断・制御する習慣がないまま成長してしまうので、「相手が恐いか、恐くないか」で態度を変えてしまうのです。
結局、損するのは子ども自身。
自分の行動に責任を持てる人になって欲しい!
先生の指示を聞かなかったり、自分勝手な行動をとると、授業を理解できないなど、結局は自分に返ってきますよね。
また、周りの子どもたちから「何なんだ、あいつは。迷惑だな、」と思われたりします。
『善悪をきちんと判断できる・その判断によって行動を制御したり改善したりできる』そんな子どもに成長して欲しかったら、叱る時に、きちんと理由を伝えましょう。
子どもが、一回叱られたからと言ってすぐに行動を変えるのが難しい場合もあります。
そういう時は、何度も何度も『同じ基準で』伝えましょう。
子どもに「どうしてダメだと思う?」と考えさせても良いですね。
どうしてダメなのかを、聞いて考えられる子どもになれば、自分で自分の行動に責任を持つことができます。
そういう子どもは、相手によって態度や行動を変えないのです。
学校での基準。教師たちの共通理解!
学校で、教師たちは、同じ基準で子どもを注意したり叱ったりするように、共通理解しています。
例えば、事故などにつながるような危険な行為や、怪我の原因となりそうな行動には、どの教師であっても同じように、注意したり叱ったりします。
子どもが廊下を走っているのを見ると、正面衝突して怪我をする危険があるので、絶対にその場で止めて注意します。
見て注意する教師と、しない教師がいたら、「担任の先生は何も言わないのに、どうしてよそのクラスの先生に叱られないといけないんだ!」というようなことになりかねません。
学校の廊下は、1年生から6年生までが使います。
全力でダッシュする6年生と、体の小さな1年生がぶつかると、大怪我をすることがあるのです。
そのことを、教師全員が、共通理解しているから、同じ基準で注意することができるのです。
同じ基準で注意されたら、「この先生の前ではOKだけど、この先生の前ではやめておこう」ということがなくなるのです。
家庭でも同じ!
基準をはっきりさせて、叱るときは理由も伝えよう!
家庭でもそうです。
私は我が子に、
・怪我や病気につながるようなことをした時。
・相手に嫌なことをした時・言った時
・暴力をふるった時
これが私の注意したり叱ったりする基準だということを、伝えています。
子どもは、正しいことが分かっていても、やりたくない時があります。
また、間違っているとわかっていても、やってみたくなる時があります。
例えば、階段をのぼる時に押し合いながら『競争』をするなど・・・。
そういうとき、我が家では、『怪我につながること』なので、すぐに注意します。
息子達にとったら「遊んでいただけなのに・・・気を付けていたのに・・・。」と感じるかもしれませんが、「怪我につながるでしょ!」と言うと、同じ基準で何度も注意されているので、すぐに納得します。
どんな時でも、同じ基準で注意したり叱ったりし、理由を伝えることが大切なのです。
夫婦で叱る基準が違う時には、きちんと話し合って、すり合わせておきましょう!!
相手によって態度を変えると、子ども自身に悪い影響が返ってきます。
しっかり自分の行動について考え、判断し、責任を持てる人になって欲しいですね。
ただ、中には『わかっているけれどやってしまう』という状態に陥っている子どももいます。
次回は、その時の教師の対応を紹介します。
家庭でも応用できます。
ぜひ読んでみてください!↓