絶滅した「ニホンオオカミ」と人間の関わり。子どもと一緒に動物園に行き、動物たちについてくわしく知ろう!生き物を大切にする心を育てられる一冊。

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『とうげの オイノ』

森元 葉子 文   伊藤 彰剛 絵
福音館書店

子どもたちは、動物園が大好きです

教師時代、低学年の遠足の引率で、動物園に行く事が何度かありました。

子どもたちが、好きな動物の前で、じっと動物を眺めている様子を何度も見てきました。

そして、我が子が生まれてからは、動物園へ行く機会がさらに増えました。

かわいいレッサーパンダや、背の高いキリンなどは、子どもたちの目を惹き付けてはなしません。

担任をした子どもたちも、我が子も、かわいい動物や「ふれあい」のコーナーにいるような動物を気に入って、絵や作文にかいていました。

動物園の中で、ひときわ存在感を放つ動物がいた

そんなかわいい動物に目が行く中、あまりの存在感と迫力に、思わずスマホで撮影した動物がいました。

オオカミです。


オオカミの遠吠えを聞いたことがありますか。

私は、我が子と一緒に行った動物園で、初めて聞きました。

その鳴き声は、凄まじい音量で、いつまでも続きました。

圧倒された私は、その場から動けなくなりました。

絶滅してしまった「ニホンオオカミ」
今でも「山の守り神」「神の使い」として奉られている

100年以上昔、日本の山には日本特有の「ニホンオオカミ」という種類のオオカミがいたそうです。

野生のオオカミなんてイメージできない現代の私たちですが、オオカミを山の神として崇める信仰は、色々なところで残っているのだそうですよ。

畑を荒らす、イノシシや鹿を狩ってくれるから、山の守り神や、神の使いとして奉られたそうです。

そんな神様や神の使いとして崇められた「ニホンオオカミ」ですが、約100年前に絶滅してしまい、今ではもう見ることができません。

動物園で見たオオカミも、ニホンオオカミではありませんでしたが、あの遠吠えを聞くと、神様や神の使いと言われても納得してしまいます。

「ニホンオオカミ」のいた時代。
人と狼の関係を描いた絵本。

今回、紹介するのは、『とうげのオイノ』です。

いちろうは、「てっぽううち」だったおじいさんと一緒に『オイノいし』というオオカミをまつってある石へ、お供えをしに行きます。

ある朝、いちろうは、イノシシ用の罠に落ちてしまったオオカミの親子を助けます。

その後、いちろうたちの危機を助けてくれたのは・・・。

「三匹のこぶた」や「赤ずきんちゃん」など、悪者として描かれやすい「オオカミ」ですが、この絵本では「自然の象徴・神の使い」として、人間との関係が描かれています。

オオカミの迫力ある力強い眼差しを、生き生きと感じられる挿絵も、見て欲しいポイントです。


人間と自然との関わりや、自然に対する「尊敬」や「畏敬」を感じられる絵本です。

『とうげのオイノ』 ぜひ読んでみてください。

絵本を読んだら、動物園に行き、オオカミの遠吠えを聞いてみて、肌で感じて欲しいと思います。

今、私たちが普通に見ている動物や鳥や昆虫、植物たちの中にも、この絵本に出てくるオオカミのように、いつかは消えてしまうものがいるかもしれません。

そうならないように、子どもたちには、身の回りの自然や生き物たちを大切にして欲しいですね。


絵本を通して、子どもと遊ぼう!学ぼう!

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