特別支援学級。どんなクラスか知っていますか?
小学校の特別支援学級。いったいどんな学習をしているクラスなの?
知らない人も多いかもしれませんね。
特別支援学級と聞くと、特別支援について知らない人の中には、「障害があって、勉強ができない子どもが入るクラスでしょ」と考える人もいるかもしれません。
けれど、それは正しいとは言えません。
特別支援学級に在籍している子どもにも、いろいろな子がいるんですよ。
特別支援学級の種別。
一言で特別支援学級と言いますが、特別支援学級は、発達の課題の種類によっていくつかのクラスに分けられています。
(ここでの「クラス」は、「等級・ランク」の意味ではなく、「学級・組」の方の意味です。どこの学級の方が上・下などはありません!)
その種類は文部科学省のホームページにも書かれています。
『特別支援学級
小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。
【対象障害種】
知的障害者、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者、弱視者、難聴者、言語障害者、自閉症者・情緒障害者
文部科学省ホームページより抜粋』
この中で、公立小学校の特別支援学級として設置されているのが多いのは、
・知的障害児学級
・自閉症・情緒障害児学級
です。
そこに、入学してくる子どもによって、
・肢体不自由児学級
・弱視児童学級
などが、設置されることがあります。
難聴・言語障害・病弱の子どもたちは、手話や医療ケアなど、より高度な専門性と環境が必要なので、特別支援学校に行く事が多いです。
(市や学校が特別支援学級でも子どもにとって必要なケアは可能であると判断されれば、支援学級が設置されることもあるかもしれません。)
このように、一言で『特別支援学級』と言っても、様々な子どもたちが在籍しているのです。
子どもの苦手を環境でケアして、得意を伸ばせる場所!
自閉症・情緒障害児学級では、
・長時間集中するのが苦手
・場面や予定が変わるとドキドキしてその場に居づらくなる
などの特性があるけれど
「勉強、楽しい~。計算、大好き~。」
と、学年の計算はスラスラ解いている子どももいます。
また、「皆と一緒だと、集中できなかったり、ザワザワした声に反応して辛そうだ」という判断で、先生と保護者の方が話し合い、市の委員会に挙げて専門の先生たちの話し合いが行われた結果、支援学級に入級する子どももいます。
その場合、発達検査を受けたり、障害者手帳などを取得していない場合もあります。
(ちなみに、障害の有無は学校の教師には判断できません。
経験上、配慮が必要な子どもはわかりますが、診断はあくまで、お医者さんが行うものです。)
なので、最初にあった、
『特別支援学級と聞くと「障害があって、勉強ができない子どもが入るクラスでしょ」』は、「正解!」とは言えないのです。
「障害」とはっきり診断されていなくても、学校・保護者・市の委員会が必要だと判断したら支援学級に入級する事になるし、
「学年の学習についていけない子どもばかり」ではないのです。
苦手なところを環境や関わりでケアし、得意なところを更に伸ばせるように、支援していくのが、特別支援学級なのです。
子どもの気になるところがあれば、相談してOK!!
もしも、「うちの子、学校で過ごしにくそうにしている」「気になるところがある」という場合は、担任の先生に相談すると良いと思います!
でも、担任の先生も、特別支援教育について充分な知識がある人ばかりではありません。
それぞれの専門があるのです。
そんな時に相談できるのが、特別支援教育コーディネーターの先生です。
その学校の中で、特別支援教育を推進する役割を持っている先生のことで、教育相談を行ったり、必要に応じて地域の子どもの発達を支援するセンターなどにつないだりすることが仕事です。
もしも、担任の先生に相談しにくいなぁと思ったら、相談自体をやめてしまうのではなく、「コーディネーターの先生と話をしてみたい」と学校に言ってみると良いですよ。
「障害の有る子どもも、ない子どもも、共に学ぶ」という『インクルーシブ教育』という考え方も、どんどん広がってきています。
だからこそ、特別支援学級を「垣根のある特別な場所」だと思わず、「子どもの力を伸ばしていく場所」という考え方が浸透していったらいいのになぁと思います。
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