『てとてとてとて』
「手」に注目して考える絵本
手ってすごいですよね。
毎日、必ず手を使って何かをしています。
自分の身の回りのこと、遊ぶ時、誰かのお手伝いをする時も、手は大活躍します。
今回、紹介するのは、『てとてとてとて』
手はいつもの生活に役に立ってくれている。
手は楽器にもなる。
手は道具にも、言葉や思いを伝えるのにも(ボディーランゲージや手話)、点字を読むのにも使う。
そして、思いを伝えたり、受け取ったりするのに使う。
普段、意識しない「手」の役割を、改めて考えることで、人と関わる温かさを感じられる絵本です。
人の生活や関わりを変えてしまったウイルス
新型コロナウイルスの流行で、手は、「消毒しないといけないもの」になってしまいました。
当たり前にできていた、友達と手を繋ぐ事、手の届く範囲でふれあいながら遊ぶ事、握手をしたり、手をひいて歩いたり・・・色々な事に制限がかかり、子ども達はふれあいを忘れてしまったのではないかと不安になります。
2022年10月現在で、かれこれ2年半以上も、そんな状態が続いています。
2歳の子どもは、マスクをせずに外に出る大人を見たことが無いでしょう。
大人も、手を消毒せずに他人の赤ちゃんや子どもに触れる事は、はばかられるので、少し離れて声をかけるだけになりました。
「不安な時に手を繋ぐ。」
「悲しそうな人の手を両手でそっとつつむ。」
今までの子ども同士なら、そっと心に寄り添ったときに、自然とできていた仕草です。
そんな、心と心が通う体験をも、新型コロナウイルスの流行で、しにくくなってしまいました。
だからこそ、親子でのふれあいを!
そんな時代だからこそ、親と子どもの「触れ合い」が、今まで以上に大切になっているのではないでしょうか。
我が子に、
「頭を撫でるのと、背中をトントンするのと、ほっぺたをつつむのと、ぎゅっと抱きしめるの、どれが一番好き?」と聞くと、
「全部、大好きだよ!」と言っていました。
頭を撫でるのも、背中をトントンするのも、ほっぺたをつつむのも、
ぎゅっと抱きしめるのと同じくらい嬉しいそうです。
手で触れることで、愛情がたくさん伝わっているのは、親としても嬉しく思いますね!
ついついバタバタして、子ども達の世話をしていたら1日が終わってしまう事もあると思います。
そんな日にこそ、そっと手を繋いで、子どもに「大好きだよ。大切だよ。」という思いを伝えてみてはいかがでしょうか。
子どもからも、温かい気持ちが返ってくると思います。
そんな日々の大切さ、人とのふれあいの大切さを感じられる絵本です。
コロナウイルスが収束し、また、人とのふれあいが戻ってきた時に、優しく手をさしのべられる子どもに育ってくれるように。
生き生きとふれあいながら遊べる子どもになるように。
そんな願いを込めて、読み聞かせしてみてください。
実際に点字を体験することもできます
この絵本には、点字や手話も紹介されています。
点字のページは触って凹凸がわかるように、加工してあります。
読み聞かせをすることで、子ども達に、目の見えない人や耳の聞こえない人について話すきっかけにもなります。
実際に絵本で点字を触り、小さな点を指先で感じ難しさを体験した子どもは、町に出た時に、点字の表示や点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)について、考えることができるでしょう。
手話を見て、「聞こえない」ことを想像するかもしれません。
そうした経験が、人との関わりの幅を広げてくれることにもつながっていきます。
絵本で知ったことが、将来、実際の社会で生きていく中で、「人への関心や思いやり」に繋がってくれたら。そんな子どもがたくさんいてくれたら。
優しくて温かい社会になっていくのではないでしょうか。
絵本を通して、子どもと遊ぼう!学ぼう!
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