『しりたがりやのふくろうぼうや』
ずっと読み継がれる、愛にあふれた作品
この絵本は1992年に発売されたものです。
なので、子どもの頃に読んだことのあるお父さん・お母さんもいるのではないでしょうか。
『しりたがりやのふくろうぼうや』
ふくろうのアウリーぼうやは、しりたがりや。
空の星がいくつあるのか
空はどれくらい高いのか
海にはどれくらい波があるのか
何でも知りたくてお母さんにたずねます。
お母さんに「かぞえてごらん」「たしかめてごらん」と言われ、アウリーは空を見上げ、海をみつめるのでした。
科学的な考え方だけに偏らず・・・。
『なんで?』や『知的好奇心をくすぐる質問』では、親が疑問に答えたり、疑問を引き出して一緒に調べたりする事を紹介しました。↓
知識を増やしたり、科学的な考え方を身に付けたりするには、
疑問を見つける(疑問を持つ)→
答えの仮説を立てる→
実際にやってみたり、調べたりする→
仮説と比較する→
まとめる
というプロセスが大切です。
実際、小学校の理科では、この流れで授業が進んでいきます。
小さい頃から、こういった流れで考えるクセがついていれば、科学的な考え方ができ、身の回りの不思議な現象について、疑問に思ったことを深く考えられるようになります。
私は、この理科的な考え方も好きですが、絵本に出てくる、お母さんふくろうの考え方も大切だと思いました。
数字では見えない、真実の姿
私は子どもに質問されると、つい簡単に答えてしまいそうになります。
けれど、お母さんふくろうは、子どもが実際にやってみたり、数えてみたりするのをただ静かに見守っているのです。
なるほど。
「星はいくつあるの?」に対し、実際にインターネットで調べたら「肉眼で確認できる個数は1等星から6等星までで、約8600個」と一瞬で調べられました。
ただ、それを子どもに伝えて、8600個の星を想像できる子どもはいないでしょう。
実際に夜空を眺め、一つ一つ数えてみると、その壮大さと広がり、輝く星と淡い光を放つ星の違いなどを感じることができます。
空の高さも、波の数も、調べるとすぐに答えがわかります。
実際に自分で調べたことは知識になります。
けれど、そこに数字はあっても、体感はないかもしれませんね。
やってみたら?と、見守ることも大切!
大人はすぐに答えを出したくなります。
私もそうです。
けれど、そうせず「やってみたら?」と見守ることも大切だということに、改めて気づかされました。
絵本では、最後に「たくさんだっこしてくれる?」とアウリーが言ったのに対し、お母さんが「たくさんて、どのくらい?」とききます。
アウリーは自分がたしかめた「星の数や海の波の数と同じくらい」と答えるのです。
アウリーにとって、星の数も波の数も数えきれないくらいたくさんありました。
これは、実際に数えて調べたアウリーだからこその言葉ですね。
子どもの知りたい気持ちを大切にしながら、
関わっていきたいですね!
科学的な考え方を身に付けるのも大切ですが、子どもの頃にしかできない方法で世界を見ることも、情緒や思考を育てるのに大切だと思いました!
子どもが疑問を投げかけてきたら、「どうしたら答えがわかるか、考えてごらん。」と、投げ返してあげるのも良いかもしれません。
子どもの知りたい気持ちを大切にし、時には導き、時には見守ることができる親になりたいですね。
絵本を通して、子どもと遊ぼう!学ぼう!
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