『しんぱいザウルスくん だいじょうぶ だいじょうぶ』
不安な気持ちと上手く付き合うには・・・
「不安」という気持ちは、厄介ですよね。
まだ起きていないからこそ、「こうなったらどうしよう」「あんなふうになったら怖いな」と、いくらでも考えてしまいます。
今回は、そんな「不安な気持ち」とうまく付き合う方法を教えてくれる絵本を紹介します。
紹介する絵本は、『しんぱいザウルスくん だいじょうぶだいじょうぶ』です。
しんぱいザウルスくんは、よく晴れた日にピクニックに行くことにしました。
計画をたてて準備をします。
これから起きることがわかっているときは安心。
けれど、出発してそんなに遠くに来ていないのに、頭の中が「だいじょうぶかな」ってぐるぐるし始めましたよ。
不安な気持ちと、どう付き合うといいのか、子どもに伝えられる絵本です。
初めてのことは不安・・・
大人は、たくさんの経験をしてきています。なので、その経験と照らし合わせて、過剰に心配しないよう、不安を和らげながら、行動することができます。
けれど、子どもは、色々なことが「初めてで、わからないことだらけ」です。
例えば、
「進級して、仲のいい友達と、別々のクラスになってしまった。
知らない子たちの中に一人で入っていかないといけない。」
子どもにとったら、不安になる場面ですね。
大人でも多少は緊張したり、不安になったりしますが、その中に入っていけないほどではないと思います。
それは、今まで、知らない人とでも友達になれたという経験があるからです。
子どもにとって、「初めて=わからない=不安」です。
不安は楽しさを消してしまう。
不安になるということは、この後に起こる危険を予測して備える力なので、人間が生きていく上で必要です。
私もかなり心配性なので、「子どもが怪我をしたらどうしよう」とか、「留守の間に泥棒に入られたら大変」とか、必要以上に不安を感じてしまうことがあります。
不安は、過剰に働きすぎてしまうと、楽しい事をしていても楽しくなくなり、前に進めなってしまうのです。
そんなとき、どうすれば良いでしょうか。
絵本の中で、しんぱいザウルスくんは、お母さんが言った言葉を思いだし、元気が出る物を入れた箱の中身を見ました。
そして、「こわいのこわいのとんでいけ!」と、呪文を唱えて、考えすぎの頭を落ち着かせました。
まだ来ていない「未来」を心配するのではなく、「今」に注目することができたら、不安や心配は小さくなっていくことに、しんぱいザウルスくんは気づくのです。
「お守りや おまじない」で、不安を減らせたら・・・
子どもが、もしも、新しい事に不安を感じているならば、心配を和らげる「お守り」や「おまじない」を考えてみてはいかがでしょうか。
「緊張したときに手のひらに「人」を書いて飲み込む」というおまじないがありますが、そのようなものを子どもと一緒に考えてあげると良いですよ!
例えば、左手の薬指には神経を落ち着かせるツボがあるそうなので、不安を感じたら右手で左手の薬指を「ギュッギュッ」とする。などはいかがでしょうか。
家の安心できる場所で練習しておくと、不安になったときに、思い出して落ち着けると思います。
4月になると、大きな環境の変化が待っています。
それを楽しみに感じられる子どももいますが、今頃から既に、不安に思っている子もいると思います。
初めての事が待ち受けている「未来」に対して、不安でいっぱいになったとき、お守りやおまじないで、一歩を踏み出す勇気が持てるといいですね!
この絵本が、そのお守りになってくれたら嬉しいです!
絵本を通して、子どもと学ぼう!