視力に問題はないのに、見る・読む・書くのが苦手な子ども。それ、もしかすると、「視覚からの情報の認知」に苦手があるのかも!

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字を書くのが苦手な子どもと出会って。

特別支援学級の担任時代、「漢字が苦手!」という子がいました。

漢字だけでなく、黒板の内容をノートに写すのも苦手。

漢字は、線が増えたり減ったり、変なところで交差したりしていました。

視力検査をしても、問題なし。

なのに、横に見本があっても、同じ字を書くのが難しいのです。

その子がノートに字を書く様子を注意して見ていると、黒板からノートに視線を移動させるときに、黒目がゆらゆらと左右にぶれている事に気づきました。

ためしに、「指先に注目してね」と言って、顔の前でグルグルとまわしてみると、指先を視線で追いかけるのが難しく、2周くらいした時点で「目がしんどい!」と、やめてしまいました。

指先を追いかける途中で、目線が「停止→瞬間移動」のような動きもあり、スムーズに動かすのが難しそうでした。

どうやら、「視力」ではなく「視覚」の機能に困難さを抱えているようだと思い、授業で「視覚からの認知機能を高める活動」に組み込んでみる事にしました。

遊びながら、「見る力」を向上させよう!

私が行ったのは、

・瞬時にピントを合わせる。
・空間を認識する。
・動くものを目で追う。
・見たものと体の動きと連動させる。

などの力を、遊びを通して向上させる活動です。

「視覚からの認識能力」が育っていない場合、「視力に問題がない」ということで、見落とされがちになっています。

この力をつけることで、読み・書きの難しさを減らせるのではないかと思ったのです。

タングラムや、線なぞり、めいろ、点つなぎ、すうじをやひらがなを読んだり探したりするワークシートなど、色々な事に挑戦しました。

また、移動教室のない5分の休み時間や体育の授業の初めなどには、体を動かしながら見る力を付ける運動なども取り入れました。

(タングラムは以前に絵本でも、その効果を紹介しています。↓)

すると、黒板の内容をノートに写すことへの苦手意識が減ってきました。

他の子と同じくらいのはやさで写すことができるようになったのです。

見て書く力がついてきた!けれど漢字だけは上手くいかない・・・

けれど、まだ、漢字は苦手なままでした。

そこで、漢字に関しては「言葉で覚える」方法を使う事にしました。

「視覚からの認知機能を高める活動」は継続しながら、特に苦手な漢字は、耳で聞いた言葉やイメージで覚えました!

そういった本も出版されているので、参考にしてみてください。

(私は、学研から出ているものを購入しました。漢字がそれぞれの部分に分けられていて、短い文章になっています。文章を覚えると自然と漢字が書けるようになり、楽しく覚えられます!著作権の関係で具体的なタイトルや表紙画像などは紹介できませんが、検索してみてください。)

目で見て覚えるところに難しさがある子どもにオススメです。

タングラムなどの活動と、漢字を言葉で覚える方法を使って、読む・書くの苦手意識を減らせるようにと取り組んだ結果、1学期では鉛筆を持つ事すら嫌がっていた子どもが、3学期には1時間でノート1ページ分の文章を、書くことができるようになりました。

実は家でもできるのです!コツコツが肝心!

タングラムや迷路などのワークシートも、言葉で覚える漢字も、専門家でないと教えられないものではありません。

家庭でもできるものです。

使った本は、専門書ではありません。

大きな本屋さんに行くと売っているくらいの本です。


それを使って、コツコツと取り組んだ結果、大きく成長したのです。

もしも、我が子が「読む・書くが苦手そう」という場合、視力に問題がなくても、視覚の認識能力で難しさを抱えている場合があるので、チェックしてみてください。

そして、タングラム、線なぞり、めいろ、点つなぎなどをしてみてください。

日々の小さな積み重ねで、子どもたちが自信を持って、学習に取り組む事ができるようになりますよ!

ひらがなの読み書きに関する記事はこちら!↓