『みんなのきもちがわかるかな?おもいやりの絵本』
人はだれかと関わりながら生きている
人が、誰とも関わりを持たずに生活するというのは無理ですよね。
家庭では家族と。
仕事に行けば職場の人と。
学校に行けば、友達や先生と。
店に行けば店員さんと。
道路や公共の乗り物でも、知らない人かもしれないけれど、それでも人と関わります。
人と関わる上で大切な『思いやりの心』
今回は、人と関わる時に、相手を思いやる気持ちを考え、学べる一冊を紹介します。
『みんなのきもちがわかるかな?おもいやりの絵本』です。
日常の場面が描かれたイラスト。
その中に「おもいやりの心をさがしてみよう!」とお題が書いてあります。
例えば、
「妹が人形を大切にしている理由」や、
「洗濯物を取り込むお父さんを見た、お兄ちゃんはこれからどうするか」
などがあり、親子で話し合うきっかけになります。
また、あいさつ・おてつだい・助け合いなど日常の場面で大切にしたいことについても書かれています。
思いやりの心は、目には見えないものだからこそ、想像したり気づく力が必要です。
そんな力を身につけられ、まわりの人と気持ちよく生活できる手助けをしてくれる一冊です。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)って何??
特別支援学級では、SST(ソーシャルスキルトレーニング)という学習をする場合があります。
社会でどのように行動すれば、まわりの人と仲良くでき、安定した気持ちで過ごす事ができるのかということを、具体的な例で考える学習です。
すごろくになっていたり、プリントだったり、カードをつかったり、色々なSSTの教材があります。
例えば、
『ぼくの好きな電車の話をしていると、友達が「もう別の話をしたいよ」と言ったよ。ぼくは一生懸命、話をしているのに!どうしてだろう。この後、どうしたらいいだろう。』
のようなお題が書いてあり、それについて話し合ったり、考えを言ったりします。
子どもたちは、
「友達は電車に興味が無いのかも。」
「電車は好きだけど、長かったのかも」
「自分だけじゃなくて、友達の好きな電車の話も聞いたら良かったかも」
など、具体的な解決策を考えます。
その積み重ねで、実際の生活でも、友達やまわりの人と円滑なコミュニケーションをとれるようになっていくというものです。
「まさか!知らなかったとは!!」になる前に、
教えておきたい「常識・マナー」
ソーシャルスキルは、特別支援学級の児童・生徒だけに必要なものかと言うと、そうではありません。
どんな子どもにも必要な力で、それを生活の中で身につけていくものです。
「生活の場面で、困り感が出てしまう前に練習しておこう!」というのがSSTなので、決して特別なトレーニングをしているわけではないのです。
子育てをしていると、「常識」や「マナー」など、「それぞれの家庭で教えてね!」というようなことが、たくさんあります。
実際の場面になってみて
「え!!この子、こんなこと知らなかったの!?そういえば、教えてなかった・・・。」
と、『反省しても後の祭り』なんてこともありますよね。
小学校の道徳の時間に、「常識」「マナー」については『親切・思いやり』や『礼儀』などの内容項目で学習します。
しかし、日常で必要な細かいマナーまでは学習しないので、それぞれの家庭で実際に生活しながら学ぶ必要があります。
どんな子どもにも、ソーシャルスキルを学ぶ機会は必要なのです。
絵本を使って学んでおくと、
実際の場面で「どうだったっけ?」と振り返られる
紹介した絵本では、具体的な例から、思いやりのある行動やマナーなどについて考える事ができます。
友達の家に遊びに行った時や、電車の中など、知っておくと役立つシーンもたくさん載っています。
ぜひ、親子で話し合うためのきっかけにしてみてください。
相手の気持ちを考えることができて、まわりの人から好かれる優しい子になって欲しいですね。
絵本を通して、子どもと学ぼう!