『ぼくのなかには おこりんぼうがいます』
イライラした気持ちをコントロールする方法を学ぶ!
今回、紹介するのは『ぼくのなかにはおこりんぼうがいます』です。
主人公のユウセイくんは、「ちょっとしたことで怒ってしまうこと」に困っています。
大好きな野球教室で、友達がミスをするのを見ただけで怒りがおさえられず、感情が大暴れ!
友達から、「こわい」と言われ、一緒に野球ができなくなってしまいました。
2年前から、おこりんぼうのコントロールを練習しているユウセイくん。
絵本では、そのやり方が紹介されています。
発達にデコボコのある子どもの気持ちを、考えられる絵本です。
自分ではどうにもできない「気持ち」!
特別支援学級の担任をしていると、この「怒りの感情をコントロールできない」という問題を抱えた子どもと出会うことがあります。
本人にとっても、どうしようもなく、怒ってしまいます。
後ですごく後悔したり、反省したりするのですが、次にまたイヤなことがあると、同じように怒ってしまうのです。
本人も、怒りたくないと思っているのに、止まらなくなってしまいます。
まわりからも「わがまま」「こわい」と思われてしまうので、トラブルになってしまったり、友達との関係も上手くいかなかったりする事があります。
気持ちのコントロール練習!
そんな場合には、この絵本にあるように「怒りの感情をコントロールする方法」を教えて、練習していきます。
絵本では、枕に怒りの気持ちをうつして、枕を潰すことで怒りの気持ちを押さえ込んで落ち着く方法が紹介されていました。
学校では、落ち着くために、みんなから離れて一人になれる場所を用意し、リラックスできたら気持ちを言葉にするように教えていました。
「○○がイヤだったから、次からはこうしてほしい」
「○○されて悲しかったから、謝ってほしい」
など、気持ちを言葉にすることができたら、落ち着いて相手に伝える事ができます。
低学年の間に、怒りのコントロールの練習をすると、高学年になった時に、気持ちの切り替えが早くできるようになる子が多いです。
環境の変化もイライラの原因に・・・。
発達のデコボコに限らず、環境や成長の段階の1つとして、イライラしやすくなる場合もあります。
例えば、
今まで自分だけのお父さん・お母さんだったのに、赤ちゃんが生まれて、構ってもらえる頻度が減った。不安で寂しくてイライラしやすくなる。
友達が別の子と遊ぶようになって、1人でいることが増えた。環境に馴染めずイライラする。
などがあります。
そんな時にも、自分の気持ちを言葉にすることができると、助けてもらえたり、環境を見直してもらえたりします。
人との関係づくりを上手にするために…
怒りのコントロールは難しいですが、練習をしていくことで、人との関係を築きやすくなります。
子どもが小さいうちに、自分なりのコントロールの方法を身につけておくと、成長した時に「困り事」になりにくいです。
子ども自身にもコントロールできない感情なので、親が一緒に方法を考えてあげると良いですよ。
アンガーマネジメントの絵本↓。こちらも参考にしてみてください。
絵本を通して、子どもと学ぼう!