ハサミで自分の手を切っちゃった!!遊びを通して、自分の体の大きさをイメージを作り、安全に道具を使えるようになろう!

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『なぞってみたよ』

福知 伸夫 さく 福音館書店
見ているこっちが、ハラハラドキドキ。初めてのハサミ!

子どもが初めてハサミを使う時、見ていてドキドキしますよね。
紙を持っている方の手が刃の近くにあるのに、まだまだ不器用だから、勢いよく刃を閉じてしまう子がたくさんいました。

ハサミは、持っている手を閉じたり開いたりする動作なので、まっすぐに切るだけなら、小さい子でも簡単に使えます。

しかし、紙を切る時の子どもの視点を考えると、紙を持っている方の手は、親指しか見えていません。

残りの、人差し指~小指は紙の裏側にあって、目で確認できないのです。
なので、どこまで指があるのかわからず、勢いよく刃を閉じてしまい、自分の指を切ってしまうということが起こるのです。

子どもは、まだ「自分の体の大きさや、どう動かせばいいのか」が分かっていない事があります。

『ボディーイメージ』を身につけよう。

『ボディーイメージ』という言葉を聞いたことはありますか?
人間は色々な経験をしながら、「自分の体がどれくらいの大きさで、どれくらいの力を出せば、上手にものを使ったり運動したりできるのか」というイメージをつかんでいきます。
頭で理解し、ちょうど良い力で体を動かす事ができるようになることで、道具を上手く使えるようになるのです。

ハサミの例で考えると、
①ゆっくりとハサミの刃を閉じる力加減がわかり、手を動かせる。
②紙を持っている方の手の、見えない指がどのあたりまであるのかわかる。(このまま刃を閉じると自分の指のあたりまで切れてしまう事が予想できる)
③左右の手、それぞれ違う動きをする。

この3つができて初めて、安全にハサミを使う事ができるようになります。

丸や波線のような直線以外の形を切るには、紙を持っている手の手首を動かしながら、ハサミの刃を閉じる事が必要です。これは、直線を切るより高度なので、より細かな『頭と体の連携の力』が必要です。

『なぞってみたよ』自分の体!どんな大きさかな。

今回紹介する絵本は、『なぞってみたよ』です。
この絵本では、手の形、足の形、体の形などをペンでなぞってみる遊びが紹介されています

赤ちゃんの頃から、自分の指を吸い、手でご飯を掴んで食べて、足や頭をたくさん触って、子どもは自分の体を知っていきます。

けれど、自分の手や足、全身の大きさを『観察する』事は少ないでしょう。
運動を通して、体のイメージを作るのが『ボディーイメージ』を作るベースです。なので、体づくり運動は子どもの成長には欠かせません。

今回の絵本で紹介する「なぞり遊び」では、それに加えて、自分の体の大きさを客観的に観察してみる事や、ペンが手のまわりに当たっている感覚を感じる事ができます。これらは、『ボディーイメージ』をつかむ手助けをしてくれます。

手や足をなぞるにも、左右別々の動きをする必要があります。
「ペンを持っている手は動かし、逆は動かさずに止めておく」という、左右の動きを調整する力も、『頭と体の連携』を促してくれるでしょう

こういった経験をする事で、紙の裏側にあって見えなくても、自分の指がどこまであるのかがわかり、安全にハサミを使う事ができるようになっていくのです。

なぞるものを替えると別の効果も!!遊び方、もりだくさん!

また、この絵本では、自分の体だけでなく、お父さんやお母さんの体の形をなぞったり、物をなぞったりもしています。

・お父さんやお母さんの体の形をなぞる事で、大きさの違いを感じられます。(大小の理解や、人の成長について知る)

・親が、『物』をなぞってクイズにする事で、物の形をイメージする力も身に付きます。
 (例えば、大人が牛乳パックをなぞって、子どもは、なぞった線だけを見て元の牛乳パックをイメージする。シルエットクイズのような感じですね!)

今回は『自分の体のイメージをつかむ』ということに焦点を絞って紹介しましたが、他にも色々な力を身につけるアイデアのつまった絵本です。

ぜひ、読んで遊んでみてください。

ハードカバー版で読んだので、そちらを紹介しようと思いましたが、福音館書店の公式ホームページで出てきたのが、『ちいさなかがくのとも』の月刊誌の画像でした。内容は同じようです。なお、月刊誌は品切れ中だそうです。書店の店頭や図書館などで見つけたら、手に取って読んでみてもらえたらと思います。

絵本を通して、子どもと遊ぼう!