大人になったときに姿が変わる生き物。成長の喜びを感じる一冊。赤ちゃんが産まれて不安定な上の子への読み聞かせにも。

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『みんなおおきくなるんだよ』

アン ロックウェル さく ホーリー ケラー え
くろさわ ゆうこ やく
福音館書店(福音館の科学シリーズ)

成長する過程で、大きく変化する生き物たち

カエルの絵が並んでいて、「この中でカエルの子どもはどれでしょう?」という、いじわる問題を知っていますか?

大人でも騙されてしまいそうな、いじわる問題の答えは「カエルの子どもは『おたまじゃくし』なので、この中にはいない。」です。

「えぇーっ」って言いたくなりますよね!

カエルの子どもはおたまじゃくし。

大人にとっては当たり前です。

けれど、最近、街中でおたまじゃくしを見る機会は、あまりありません。

カエルとおたまじゃくしでは、姿が全然違うから、おたまじゃくしとカエルが同じ生き物だと結び付かない子どもも多いかもしれませんね

当たり前だけど、改めて考えると面白い、生き物の成長。

今回、紹介する絵本は『みんな おおきくなるんだよ』です。

白い花が実をつけて、

卵から鳥が孵り、

おたまじゃくしがカエルになり・・・

主人公の男の子は、ぬまの周りの自然から、たくさんの生き物の「成長」を知っていきます。

男の子の家に産まれた、小さな赤ちゃん。

小さな赤ちゃんも、周りの生き物たちや、自分と同じように「成長」していくのでしょう。その成長をワクワクしている男の子の気持ちが伝わってきます。

そんな、希望に満ちた一冊です。

子どもは知らない!? 姿が全く違う!イモムシからチョウへ。

チョウが飛ぶ姿を見て、追いかける子ども。

よくある光景ですね。

しかし、そのチョウが、ウニョウニョと動くイモムシが成長した姿だということを、子どもは知っていますか?

魚みたいなおたまじゃくしに、足が生えてきて、カエルになることは?

魚は卵からかえることは?

ドングリがいつか大きな木になることは?

この絵本は、「成長」について、また、生き物の生態について、学べる絵本です。

この絵本を読んだら、成長する過程で姿が変わる生き物の不思議や面白さに気づくのではないでしょうか。

絵本には出てきませんが、

トンボの幼体のヤゴは、水中で生きていますが、成長してトンボになると空を飛び回っています。そんな不思議に気づいたり、

お寿司屋さんで食べているイクラは鮭の卵だと知ったり、

生き物の成長について、もっと知りたくなる気持ちが出てくるのではないでしょうか。

そんな、子どもの興味を引き出しておいて、面白い成長をする生き物について、クイズにするのも楽しそうですね!

意外と、トンボが幼虫の時には水の中で暮らしていることや、いつも食べてるイクラは魚の卵だということなど、知っているようで知らない子どもも多いと思います!

この絵本をきっかけに、楽しみながら、子どもの知識を増やしてみてはいかがでしょうか。

絵本で自分や赤ちゃんの「成長」を考えるきっかけに!

この絵本、生き物の成長という視点で、科学絵本として読むこともできますが、弟の成長という視点で、情操(心を成長させる)絵本としても読むこともできます。

赤ちゃんが産まれてすぐの上の子どもは、新しい家族が増えたことに、喜びを感じるのと同時に、親をとられるのではないかという不安も抱えています。

赤ちゃんが泣いたら駆けつけるお母さん。

ヨシヨシと抱っこするお父さん。

そんな両親の姿を横で見て、「赤ちゃんなんてキライ!」と言ってしまう、お兄ちゃん・お姉ちゃんもいるかもしれませんね。

そんなときにも、この絵本を読んでみてください。

お兄ちゃん・お姉ちゃん自身も、昔は赤ちゃんだったことに気づいたり、目の前の赤ちゃんも大きくなったら、今の自分と同じように動き回り、一緒に遊ぶことができるようになることに気づくかもしれません。

生き物はみんな成長する。

そんな当たり前の事実を、当たり前に教えてくれる絵本。

成長して大きくなるということが、どんなに素敵で、嬉しいことなのか教えてくれる、そんな絵本を読んで、親も子どもも、毎日を大切に過ごすことができたらいいですね!

絵本を通して、子どもと学ぼう!