『じぶんがみえない!』
自分で自分はどうしても見えない!
以前の記事で、アンガーマネジメントの絵本を紹介した時に、自分を客観的に見るようにすると良いという事を紹介しました。
人間は、自分の視点からしか物事を見ることができないので、「自分を客観的に見る」ためには、俯瞰(ふかん)を意識すると良いそうです。
そんな、「自分」についての、少し哲学的な絵本を紹介します!
今回紹介する絵本は、『じぶんがみえない!』です。
五味太郎さんの絵本で、「ぼくは ぼくが みえない!」ということに気づいた男の子の話です。
表紙の絵が、まずステキ!
あっちこっちを見ようとしている男の子の絵がどーんと描かれていて、興味がわきます!
友達からは、ぼくが、見えるのに。
ぼくからは、友達のことが、見えるのに。
自分で自分を見ようとすると、鏡を使ったりビデオを使ったりするしかない。
でも、自分で自分がみえてしまうと・・・
子どもは「自分」について、どれくらい考えたことがあるでしょう?
長男が保育園の時、参観日に「子どもの考えを知って、親子の絆を深めるクイズ大会!」のような会がありました。
子どもが「お母さんは自分の、どこが好きだと思う?」と聞かれた、その結果をランキングにしてあり、1位は何かを当てるのです。
私は保育園の子どもたちの様子を見て、「優しいところ」とか「元気なところ」を想像しました。
しかし、結果は「顔がかわいいところ!」でした!!
なるほど。
お母さんが、「かわいい~!」って抱きしめたり、頭を撫でたりしているのを、「かわいい=顔がかわいい」と捉えているのかなぁ?
私も、「かわいい」って言ってるなぁ。
と、思いました。
もちろん我が子だから、顔も大好きです!
でも、お母さんの「かわいい~!」は、顔だけじゃなくて、子どもの存在自体が「かわいい」なんですよね。
親の言葉から、子どもが、自分の良いところや好きなところを客観的に見て導きだした答えが「顔がかわいい」って!
ちょっと面白くて、ちょっと「かわいい」なぁと感じたクイズでした。
ありのままの我が子を「大切に思っている」事を伝えて、子どもの自己肯定感を高めよう!
みなさんは、自分の子どもに「お母さんは、きみのどんなところが好きだと思う?」って聞いたら、何と答えると思いますか?
「顔がかわいい」と言われたら「それはもちろんだけど、それ以上に、きみの『存在が・全部が』かわいい。そういう意味でかわいいって言ってるんだよ」と伝えてあげてください。
最近は、「自己肯定感」という言葉が書籍でも取り上げられるようになりましたが、もともと「自己肯定感」というのは、教育の場面で使われる言葉でした。
自己肯定感が高いということは「ありのままの自分を認められている」という事です。
逆に、自己肯定感が低いと、生活や対人関係に悪い影響が出てしまいます。
「顔がかわいい」は、「顔」という表面のパーツを認める言葉です。
「きみの存在がかわいい」は、その子の全てを認める言葉です。
同じ「かわいい」ですが、「顔」のかわいさだけをほめていると、「かわいくない自分は認められない。」と、間違った解釈をしてしまうことがあります。
それが行きすぎると、自己肯定感の低さに繋がったり、その自己肯定感の低さを補うために整形を繰り返したりというようになっている人もいます。
子どもが「かわいい」の言葉を、どう受け止めているのかを知ることができて、「全部がかわいい・全部が大事だよ」と伝えられて、とても良い参観日になりました。
「自分っていいじゃん!」と思える人になってほしい。
自分では、自分のことが見えません。
だからこそ、子どもが自分のことを客観的に考えた時に、「私っていいじゃん!」って思えるような子育てをしたいですね!
たまに、子どもに「自分のどんなところが好き?」と聞いてみてください。
きっと、子ども自身が、「私っていいじゃん!」と思っているところをたくさん教えてくれますよ。
それをどんどん認めてあげてください。
そして、「もっとこんなステキなところもあるよ!」と教えてあげてください。
子どもが成長し、思春期に自分と向き合った時、自分のことが好きだと言える、土台を作ってあげたいですね!
絵本を通して、子どもと学ぼう!