『いのちはめぐる (いきもの みーつけた)』
いのちを「いただきます」
昔、「最近の子どもは魚の切り身が、もとはどんな姿だったのかを知らない。」「切り身が海を泳いでいると思っている子どももいる」というのを聞いたことがあります。
水族館や水の生き物の図鑑などで、生きた魚の姿を見る機会があっても、それを食べている自分と結び付いていない子どももいるのかもしれませんね。
今回、紹介するのは『いきものみーつけた いのちはめぐる』という絵本です。
小さなアゲハチョウの卵。
卵を狙う虫たち。
幼虫に成長できても、また虫や鳥に狙われる。
成虫になっても、カマキリに食べられる。
そのカマキリを狙うカエルやクモ。
カエルを狙うカラス。
カラスを狙うオオタカ。
オオタカも死んでしまったら、小さな生き物のごちそうになる。
「いのちのつながり」SDGsを考え、食品ロスを減らそう。
食物連鎖について描かれた絵本です。
私たちは普段、お腹がすいたらご飯を食べます。
大昔のように、狩りをしたり、食物を採取する事なく、加工されたものをスーパーで購入し、それを調理して食べます。
それは、人間が努力と知恵で得てきた技術です。
便利さと豊かさを得た反面、「人間も他の生き物のいのちをいただいている」という意識も無くなってしまいました。
最近、SDGsという言葉を聞くようになって、「食品ロスを減らそう」という内容の報道が増えました。「食べられない国もあるのだから」「食べられるものを棄てるなんて『もったいない』」そういう見方が広まっています。
「企業も、無理に作りすぎないようにしている」という内容や、「賞味期限がギリギリや切れたものでも食べられるものは食べる」という活動も放送されていました。
もう1つ「食品ロス」は、「食べられる為に命を落としたものを粗末にするという事。」という、視点で見ることもできます。
食品を棄てて燃やして灰にして、灰が増えすぎて処理に困っているのです。
命を落としたものを粗末にせず、自然を守るためにも、ゴミを減らす為にも、食品ロスを無くす工夫をしたいですね。
子どもと考える「いのちの繋がり」
小学校6年生の理科で、この食物連鎖について学習します。
子ども達は、それまでの経験として、『生き物がより大きな生き物に食べられる事』を知っています。
しかし、人間がその輪の中に、入っているという意識は無いでしょう。
また、死んでしまった大きな生き物が、微生物に分解され、土や水の栄養となり生き物を育てるという視点も、持ちにくいのではないでしょうか。
地球上で命が巡っているという事を学べる、科学絵本。
外を歩いた時、ご飯を食べる時、そこにある『命』に気付き、感謝できる。そんな考えを持つきっかけになる一冊です。
絵本なら、6年生で学習する前でも、その内容がすっと理解できるのではないでしょうか。
6年生で学習するタイミングで読めば、よりイメージできて深い理解に繋がるでしょう。
子どもと一緒に、自然の中にある『命』について考えてみてください。
絵本を通して、子どもと学ぼう!