キャッシュレスで、子どもの金銭感覚はどうなる!?親の私たちが、子どもにしてあげるべき「お金教育」。

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『はじめてのおつかい』

筒井頼子さく 林明子え
福音館書店

新型コロナウイルスは世界を変えた

新型コロナウイルスが流行して、一気にキャッシュレス化が進みましたね。

現金をほとんど持たなくなったという人も多いのではないでしょうか。

我が家も、カード支払いや◯◯Payで支払う事が増えました。

その方がポイントがついたり、キャッシュバックがあったりして、お得な事が多いですよね!

大人がピッとしているのを見て、子どもがマネしたがる事はありませんか?

音がなったり、スマートフォンの画面表示が変わったりして、子どもにとったら、オモチャのようで興味がわくのでしょう。

大人は、ICカードやクレジットカード・決済アプリなどを使っていても「目では見えないけれど、現金を使っているのと同じだ」という感覚はあると思います。

けれど、このまま現金を使う事がほとんど無くなってしまうと、現金を使う経験の乏しい「子ども達」はどうなるのでしょうか。

キャッシュレス決済で減った「子どもとお金について話す機会」

子どもが、何の知識も無しに成長し、キャッシュレスのカードやスマートフォンのアプリなどを使ってしまうのは危険です。

「ピッとしたら何でも買える、不思議なカード」くらいの認識しかなかった場合、「チャージしたお金を無駄遣いしてしまった。」という事も起こるでしょう。

チャージなら限度があるのでまだ良い方です。

キャッシュレス決済は、お金を使うイメージが持ちにくく、大人でも「クレジットでどんどんお金を使ってしまった。」という悲惨な事態へ繋がることがあります。

私たちが子どもの頃は、学校で現金集金があったり、遠足のお菓子を駄菓子屋さんに買いにいったりと、「お金」について親と話す機会がたくさんありました。

今では、集金は銀行からの引き落としです。

遠足のおやつは、スーパーやコンビニで、親と一緒に選び、親が支払う事が多いのではないでしょうか。(駄菓子屋だと、お店の人が一緒に選んでくれる安心感があって、子どもだけで買いに行かせていましたが、スーパーやコンビニは店員さんに迷惑をかけてはいけないと思ってしまいますよね。)

また、コロナ禍ということもあり、遠足におやつを持って行かない事になっているところもあります。

数字だけを見て、物の価値を把握する難しさ

私たち親世代は、200円・300円あれば、遠足中に食べきれないくらいのおやつが買えるのを身をもって体験しました。

お金を握りしめて買い物をし、帰りにはお菓子を持って帰る。という経験を何度も繰り返すことで、「これだけのお金があれば、これくらいのおやつが買える。」という感覚を身につけ、お金の価値を理解することができました。

このままカードやアプリでの決済が主流になり、現金を見ることが減っていくと、これからの子ども達は表示された数字だけで、物の価値を把握しなくてはならなくなります。

算数・数学の、数の量感が、より必要性を増します。

また、「現金支払いのみ」の場所では、「現金での支払いってどうするんだっけ?」という事が起こり得るかもしれません。

「1680円」と言われて、「小銭の組み合わせかたが、ややこしいから2000円出しとこう」という支払いの仕方をする人が増えるていくのかもしれません。

親が子どもにしておくべき「お金教育」

私たち親は、子どもに「お金の価値」を伝える事、カードやアプリでの支払いの仕組みなどについて、教えることが必須になるでしょう。

これだけ大きな変化が起こっていて、子どもにとって影響のある事柄ですが、小学校では「お金」について、あまり教えません。(↓参考:『おかねをかせぐ!』)

算数で計算する時に少し扱う場面があるのと、家庭科で買い物の仕方で少し教えてもらう程度です。

子ども達にお金の価値を理解してもらうために、

◯現金という「価値をはかる基準にできるもの」のイメージがなくても、数字だけで価値を判断できる子どもに育てる事が必要なのか。

◯それとも、現金を使う機会をたくさんとって、「お金」と「物の価値」を結びつける事が必要なのか。

今はキャッシュレスへの過渡期なので、「どちらが、より必要か。」ということを言い切るのは難しいです。

しかし、キャッシュレスでも現金でも、無駄遣いしないことや、お金を貯める必要性などは伝える事ができます。

また、今だからこそ「どちらも」経験できて、より、お金について理解を深めることができるともいえるのではないでしょうか。

※2022年度より高校では金融教育が始まっています。これから生きていくうえで、金融や経済の仕組み、家計の管理など学ぶことが大切だということですね。

小さい子どもには絵本で

今回は『はじめてのおつかい』を紹介します。

みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに行きます。

自転車のベルに驚いたり、転んだりしながら、お店までたどり着きました。

とても有名な絵本です。

読んだことがある人も多いと思います。

みいちゃんのドキドキする気持ちや、頑張ろうとする気持ち、やりきった達成感などを感じ、子どもも、みいちゃんと一緒にはじめてのおつかいに挑戦しているような真剣な表情で聞いています。

そんな素敵な絵本だからこそ、今の時代の「お金に関する課題」を考えるのにぴったりだと思います。

200円を握りしめて走る、みいちゃん。

転んで100円がどこにあるかわからなくなった時の気持ち。

「キャッシュレス決済も」「現金支払いも」どちらも経験できる、『今の時代だからこそ』色々な体験を通して、金銭感覚を身につけていって欲しいと思います

キャッシュレス決済ではイメージしにくい、お金の価値について、子どもと話をしてみましょう。

そして、子どもが一人で、「現金で」買い物をするという体験や、WAONやnanacoなど電子マネーのチャージや支払う体験を、ぜひ、させてみてください。(レジのすいている時間帯で、挑戦させてみましょう!)

絵本を通して、子どもと学ぼう!