1位じゃなくても、いっとうしょう!走ることに苦手意識のある子どもへ『金メダル』をあげる考え方。

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『ピピはいっとうしょう!』

文・絵 ヒド・ファン・ヘネヒテン
訳 岩津ちひろ
パイ インターナショナル

この絵本を読んだら、どんな子どもでも『いっとうしょう!』

運動会やマラソン大会、順位がつく競技は、今でもありますよね。
『得意・不得意があるのに、順位を着けるのは良くないのではないか』という考えから、「徒競走で順位をつけなくなった。」「マラソン大会をしなくなった。」という学校や園も増えてきました。
けれど、やっぱり順位という考え方は今でも残っているし、オリンピックでも金メダル・銀メダル・銅メダルと、はっきりと順位がつきます。

それに、「強くなりたい。速く走りたい。」と思って練習する、そのパワーの源は、やっぱり順位を上げたいと考えるからです。

その反面、順位をつけることは、苦手意識が強い子どもにとって、「いつも最後」「ビリばっかりでつらい」と、ネガティブな気持ちを引き出す原因にもなります。

順位をつける競技に参加する、「苦手意識の強い子ども」に、ぜひ読んでほしい絵本が、この『ピピはいっとうしょう!』です。

自分の良さを知るということ

このお話の素敵なところは、テントウムシのオリンピック『てんてんオリンピック』に参加する主人公のピピが、いろんな競技をするには「小さくて、難しい」ところ。

物語のはじめの方で、委員会の会長は
「たいかいでだいじなのは、かつことではなく さんかすることです!」と言います。

どのスポーツをするにも小さすぎるピピですが、そんなピピが大活躍する競技がありました。ボートのかけ声がかりです。小さな軽い体は、ボートのかけ声がかりにぴったり。チームのためにがんばります。

ピピは、ボートを漕ぐ選手ではないけれど、自分の特徴を活かして輝く場所がありました。

この絵本のように、私は、子ども自身の得意を、運動会やマラソン大会の中に見つけてあげればいいのではないかと思います。

『順位』というのは、誰が見てもわかりやすいので、「すごいね!!」と言いやすいです。子ども自身も、「自分はすごい!」と感じやすいです。

だからこそ、反対に、最後だと「自分はダメ」という考えに繋がりやすくなってしまいます。

けれど、それは単に、その子の活躍する場面が「速く走ること」じゃなかっただけ。

ピピが、色々なスポーツをすることが難しかったのと同じです。

親だからこそできること

例えば運動会なら、徒競走の他にも、ダンスや玉入れなどにも参加しますよね。
けれど、協力してパフォーマンスしたり、チーム戦だったりするので、個別に見て、第三者が「すごいね!!」ということはあまりありません。

けれど、親は、我が子に注目して見ていますよね!

そう!親だからこそ気づける、子どもの『いっとうしょう!』を見つけてあげましょう!

「ダンスで、一番、手が高く上がってたよ!」
「玉入れで、一番、高く飛び上がって投げていたよ!」

苦手意識のある、徒競走でも、『いっとうしょう!』のところを見つけてあげると、更に自信がつくと思いますよ。

「徒競走で、一番、腕を力強くふっていたよ!」
「徒競走で、前をしっかり見て走っていてかっこよかったよ!!」
「グラグラせずに、まっすぐに走っていて、すごいと思ったよ!」
「力強く地面を蹴って走れたね!」

実は、走っている本人にとって、自分がどんな風に走っているのかということは、わからないものです。

客観的に見た、良いところを伝えてあげましょう!

頑張った我が子に金メダルを!メダルの効果

子どもにとって、表彰状やメダルは、頑張ったことの証です。
私は息子に、何度も、「お母さん金メダル」を作ってあげていました。

材料
・段ボールか厚紙
・金色の折り紙かアルミホイル
・リボン
・木工ボンド
・ホッチキス
・セロハンテープ

作り方
・段ボールや厚紙を丸く切る(セロハンテープを使うと、コンパスがなくても円が書けます)
・両面に金色の折り紙かアルミホイルをはって丸く切る
 (アルミホイルの場合は、黄色の油性ペンで全面塗る)
・リボンをホッチキスでとめて、ホッチキスの針のところをセロハンテープで保護する

これだけ。

材料さえあれば、アルミホイルを塗る作業を入れても10分くらいで完成します。

これを用意しておいて、子どもが一番頑張っていたところを褒めてあげましょう!

親が色々な視点を持っていれば

1つの価値観で評価したときに、「できていない」と感じると、それは苦手なことであると認識されて、やりたくなくなってしまいます。

けれど、子どもは、親や先生の言葉から大きな影響を受けます。
その親や先生が、違う視点で見てくれて、違う視点で褒めてくれるとわかると、「一番じゃない自分はダメ」という考えにとらわれずに、楽しくチャレンジする心が育ちます。

順位をつけないのではなくて

本当に必要なのは、「苦手意識がある子どもがいるから順位をつけない。」ということではなく、「順位は、見えやすい評価の基準の1つで、それが全てではない。」という感覚を、みんなが持てる事だと思います。

絵本の中で、会長が、「たいかいでだいじなのは、かつことではなく さんかすることです!」と言ったように、参加したからこそ見える、我が子の成長は必ずあります。

そこに注目して褒められる大人でありたいですね。

絵本を通して子どもと学ぼう!