『どうぶつせんきょ』
選挙で投票できる年齢が引き下げられたからこそ
選挙で投票する権利が18歳からとなって、もう6年がたとうとしています。(2022年現在)
18歳で投票するにあたり、子どもの頃から、社会の仕組みについて考える事が、より大切になってきています。
今回紹介するのは、『どうぶつせんきょ』です。
この絵本は、4歳~11歳の子どもたちが実際に集まって、話し合い、そして選挙をして作られたお話です。
森の王さまのライオンが、川の水の流れを変えて、自分の巣穴の前にプールを作りました。
どうぶつたちは、がまんの限界。
デモをしますが効果は無し。
そこで、新しい代表を決める選挙をすることにしました。
立候補したのは4匹のどうぶつたち。
さあ、誰が森の代表に選ばれるのでしょうか。
絵本を使って、選挙について考えてみよう!
あなたなら、どのどうぶつに投票しますか?
この絵本を読むとき、どうぶつ選挙の結果をみる前に、ぜひ、子どもに「どのどうぶつに投票したいか」を聞いてみてください。
そのどうぶつを選んだ理由も、話せるといいですね。
絵本では、選挙の結果が描いてあります。
けれど、そのどうぶつが選ばれるのが『絶対』だったというわけではありません。
実際に子どもたちが集まって投票した結果なので、他のどうぶつが選ばれる可能性もあったそうです。
大切なのは、なぜそのどうぶつに、1票を入れたいと思ったのか『理由を説明できる』ことだと思います。
理由を説明するには、自分の考えを持つ必要があります。
自分の考えと、候補者の考えを比べて、より近い人に代表となってもらうために投票するのが、選挙の仕組みだからです。
子どもの社会でも「選挙」をするけれど・・・。
子どもたちは、小学生になると、実際にクラスの学級代表を投票で決めたり、児童会の代表を選んだりします。
これは、『選挙の練習』のようなものですね!
小学生の頃は、「◯◯くんは足が速いから、1票入れよう」とか「普段から仲良しだから」「字がきれいだから」など、立候補するときの公約とは別の理由で選ばれることも多いです。
しかし、中学生・高校生になると、実際に、「自分たちの生活を変えてくれる!」「楽しくなりそう!」と思える人に投票するようになっていきます。
そういった、「自分の意思表示の1票を投票すること」で代表を決める経験を、『子どもたちの社会』の中でたくさん積んでおく事が、日本の未来に繋がっていくと思います。
ところで、みなさんは投票に行っていますか?
みなさんは、選挙の時に、投票に行っていますか。
子どもに、その姿を見せていますか。
「選挙」と聞くと「自分一人くらい投票しなくても、どうせ日本の政治は変わらない」と思ってしまう人もいると思います。
大学を卒業するまでの私は、政治や選挙に興味を持てずにいました。
「候補者の考えなど、あんまり知らないけれど、今の代表で困ってないし、とりあえず投票しておけばいいかな。」と安易に考えていました。
けれど、結婚し、親元を離れると、「社会の問題は自分たちの生活に直接影響がある事が多い」ということに気づきました。
最近では、インターネットで、どの政党の考えに近いのかを診断するサイトや、候補者の考えを聞ける動画配信などもあり、昔に比べると、投票へのハードルが下がっているような感じがします。
そういった、便利なものをどんどん利用しましょう!
そして、親が毎回、投票に行っている姿を、子どもに見せてあげてください。
それが、子どもにとって一番の『選挙への興味付け』になるのです。
子どもはまだ、選挙には行けません。
けれど、「自分の考えを持つ練習」をすることはできます。
例えば「今日は〇〇に行くよ!」だと、子どもに考える余地はありませんが、「今日はどこに行きたい?」と聞くと、子どもは自分の意見を言う必要が出てきます。
その理由を説明したり、意見が違う人と話し合ったりすることが、「自分の考えを持つ」練習になるのです。
子どもの頃から、自分の考えを持って、表現することが、将来の「社会への参加」に繋がっていくのです。
子どもたちがみんなでクラスを作っていくように、私たち大人も、みんなで地域を、日本を、より良くしていきたいですね。
子どもが成長し、政治へ参加できるようになったとき、「自分の考えを持って、その1票を使える人」になれるよう、小さい頃から興味付けをしてあげてくださいね。
絵本を通して、子どもと学ぼう!