受け入れがたい、家族の認知症。子どもの心を優しく導いてくれる絵本。高齢社会で生きていく子どもに、ぜひ読んで欲しい一冊。

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『おばあちゃん、ぼくにできることある?』

ジェシカ・シェパード 作
おびかゆうこ 訳
偕成社

大好きなおばあちゃんが、色々なことを忘れてしまう・・・

今回、紹介するのは『おばあちゃん、ぼくにできることある?』です。

主人公のオスカーは、おばあちゃんが大好き。

いつも一緒に遊びます。おばあちゃんは、公園で遊ぶとオスカーよりも楽しそう!

おばあちゃんのお手伝いをしたり、一緒に絵本を読んだりもします。

けれど、このごろ、おばあちゃんは色々なことを忘れてしまうみたい。

おばあちゃんは、手伝ってくれる人がいる、「新しいおうち」に引っ越すことになりました。


認知症になってしまった、大好きなおばあちゃんとの関わりを、オスカー目線で描かれた絵本です。

高齢社会で、子どもが直面する問題

医療が発達し、日本人の寿命はどんどん長くなり、日本は高齢社会となりました。

年齢を重ねると、身体を動かしづらくなったり、認知機能が低下したり、生活するのが難しくなります。

おじいちゃん・おばあちゃんとの関わりが多い子どもにとって、歳をとっていく、おじいちゃん・おばあちゃんの変化は受け入れがたいものでしょう。

そんな子どもの心に寄り添ってくれる一冊です。

(小さな子どもだったら、ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんとの関わりの参考になるかもしれません)

介護施設での経験をもとに描かれた絵本

作者のジェシカ・シェパードさんは、介護施設で勤めた経験のある人です。

介護施設に子どもが来ることは少ないけれど、たまに子どもが来たら、お年寄りの入所者の方々の顔が、パッと明るくなったと書かれていました。

私自身、学校の子どもたちと、地域ボランティア体験として介護施設に行った事があります。

突然、大きな声で怒りだす人や、同じ話を何度もする人がいましたが、そこに子どもたちがやってくると、みんな嬉しそうに子どもたちの話を聞いてくれました。

子どもたちも、一生懸命、おじいさん・おばあさんに喜んでもらえるようにと、歌を歌ったりお話したりしていました。

受け入れがたい、家族の認知症。
絵本が子どもの心を優しく導いてくれる。

子どもに認知症について説明するのは、難しいと思います。

けれど、この絵本を読むと、「認知症になっても、変わらず大好き」という、子どもだからこそ持てる純粋な気持ちを受け止めてあげることになるのではないかと思います。

これからの社会、高齢の方が更に増えるでしょう。

介護は、簡単な事ではありませんが、認知症についての正しい知識と、あたたかい心を持っていれば、みんながみんなに優しい社会になるのではないかと思います。

絵本を通して、子どもと学ぼう!

おじいちゃん・おばあちゃんとの交流に役立つ絵本も紹介しています。↓