『びりびり やぶいたら』
大人にとっては簡単な動作も、実は複雑。
子どもが、お菓子を持ってきて「あけて~」と言うことありますよね。
小さい子は、パッケージを自分で開けようとして左右に引っ張ってしまい、中身がパーンっと飛び散ってしまうというのも見たことがあります。
パッケージを開けるという動作は、次の動作を連続させて行う必要があります。
①指でつまむ
②左を固定し、右の指を手前に傾ける
③そのまま、手前と奥にずらして動かす
この動作を連続させて行うということは、小さい子どもには難しいのです。
そのため、同じような動きに見える、「指でつまむ→左右に引っ張る」という動作をしてしまうので、パッケージを開けるのに失敗し、お菓子を盛大にばらまくということが起こるのです。
最初の切れ目を入れるのがかたいというのも、小さい子どもにとって、難しいポイントかもしれません。
大人にとっては簡単な動作ですが、私たち大人も、何度も経験し、繰り返してきたことで、できるようになったのです。
びりびりを楽しもう
そんな「びりびりとやぶく動作」を楽しみながら、練習できる絵本を紹介します。
今回、オススメする絵本は『びりびりやぶいたら』です。
この絵本には、色画用紙をびりびりとやぶいた色々な形を、組み合わせてできた動物が、登場します。
前にも紹介した「形を見て想像する」「これ、○○の形に見える」と、想像力を膨らます遊びにも少し似ています。
やぶいてたまたまできた形は何に見えるのか。
組み合わせると、何ができるのか。
と、イメージをふくらませて、親子で一緒にお絵かきしてみましょう❗
まず、色画用紙や色紙、新聞など、紙をびりびりとやぶいて不思議な形を作ります。
同じような形をいくつか作ります。
できた形から好きなものや使いたいパーツを選んで、白い紙に貼り付けます。
最後に、貼り付けたパーツのまわりに、クレヨンや色鉛筆で絵を描き足します。
何も無いところからお絵かきするよりも、想像力を使いますし、普段なら描かないモチーフを描いたり、普段なら使わない色を使ったりと、新たな発見があるのも楽しいです。
びりびりと紙をやぶく動作を、楽しみながらできるのも良い点です。
紙をやぶく動作を繰り返すことで、お菓子のパッケージを開けるための動作が自然と身につきます。
必要なのは「楽しむことで、身体の感覚が連動していくこと」
お菓子のパッケージを自分で開けられるのが、必要なのではありません。
そういった、日常で必要となる、少し複雑な動作というのはたくさんあります。
それを、遊びを通して身につけていくことができれば、腕や指先が連動していき、身体が思い通りスムーズに動くようになっていくのです。
この動作がゆくゆくは、『ちょうちょ結びをする』や、『消しゴムできれいに文字を消す』というような動作へと繋がっていきます。
私は、日常でできなくて困っている事(鉛筆や箸をうまく持てないなど)があれば、その動作を練習するのではなく、その動作に繋がる遊びをたくさんすることをオススメします。
別の遊びなんて意味無いと感じるかもしれませんが、遠回りをする事が、意外と近道だということをよく感じます。
親子で、びりびりと紙をやぶいて、楽しいお絵かきの時間を過ごしてみてください。そして、子どもの身体を成長させてあげましょう!
絵本を通して、子どもと遊ぼう!